神楽の歴史

岩手の神楽 分類と特色

山伏神楽

岩手県内最も多いのが山伏神楽です。早池峰山霊場とする山伏伝承した早池峰系神楽は、花巻市中心に40団体以上にものぼります。大償両神楽は、総称して「早池峰神楽」と呼ばれています。岩手山伏神楽は、本田安治分類では、獅子神楽山伏神楽)に属しています。
山伏神楽成立した時代は、明らかになっていませんが、原型南北朝時代形成されたものと考えられています。早池峰神楽着目してみると、早池峰神社文禄(1595)の記録がある獅子頭残されており、大償別当伝えられたという神楽伝授書控え巻物には、長亨(1488)のがあることから、この時代には、すでに神楽伝承されていたことがわかります。
山伏神楽特徴としては、獅子頭自体載り堂々現れるものと考え権現様呼び奉じます。以前は、神楽集団旦那場回りごとに権現舞舞って神楽演じていました。早池峰神楽では、この慣行が「回り神楽」、「通り神楽」として昭和初期まで行われていました。宮古市黒森神楽普代村鵜鳥神楽で、現在でも行われています。
岩手県内山伏神楽には、早池峰山中心とした早池峰系神楽沿岸黒森系神楽県北九戸系神楽花巻地方円万寺系神楽などがあります。

代表的な山伏神楽の紹介
岳神楽 岩手県花巻市大迫町 (国指定重要無形民俗文化財、ユネスコ無形文化遺産

岳神楽

大償の2つの神楽座総称である「早池峰神楽」は、2009にユネスコの無形文化遺産登録されています。
早池峰神楽のうち、岳神楽伝承されている岳集落は、早池峰山麓西南登り口位置しており、神楽集落にある早池峰神社奉納されています。
起源については、諸説があり、下閉伊郡小国から山伏によって伝えられたとも、宮古からの山伏によって伝えられたとも云われていますが、現存する記録資料がないために定かではありません。
岳神楽大償神楽では、演目呼称に、多少違い見られますが、筋運びはほぼ同じで、演目は40以上にのぼります。神楽奉じる最初に「式舞」が舞われ神楽最後は、必ず権現舞」で締めくくるのが決まりとされています。

黒森神楽 岩手県宮古市 (国指定重要無形民俗文化財

黒森神楽

黒森神社神霊移した権現様呼ばれる獅子頭持って地域各戸訪れ門口などで家内安全豊作豊漁厄払い供養などそれぞれ願い応じて舞い地区民家座敷などで演じます。
黒森神楽巡行は、神霊権現様移す舞立ち」から始まります。かつては、11月頃でしたが、現在は、1行われています。そして、一か月以上日数をかけて地域巡り黒森神社戻ってきます。久慈市大槌町までの北回り南回りとして隔年回村しています。
神楽演目以外祈祷舞儀礼保持している重要神楽とされ、民俗民間信仰研究においても注目集めています。