食について
高舘 美保子
最近「食育」という言葉をよく耳にします。毎日のことで多少おろそかになり
がちな「食べる」について最近よく考えるようになりました。
私は障害者福祉に携わっておりますが「食べる」ことの大切さを実感する出来
事があります。本来「食べる」ということはとても楽しいことです。
ある障害を持った子は「食べる」ことが苦痛で苦痛でしょうがありません。
いろいろな要因があります。
一つは口内炎ができて口の中に食べ物がしみること。
二つ目は体が小さいため量を食べられないこと。
三つ目は習慣とし喉越しのいいもの(プリン、ヨーグルトなど)を親が与え続
けてきたこと。
この三つが悪循環となってそこから抜け出せない状況になっています。プリン
ですので食べるではなく飲み込むようにします。すると空気が入りげっぷが出る。
周りが不快な顔をする。そうすると周りも自分も楽しくなくなってきます。
量を食べられないのであれば、少なくして全部食べた達成感を味わう。口内炎
ができないように少ない量で種類を多く取るようにする。甘いものは食後に取る
ようにする。当たり前のことですが、これを直すのには時間がかかります。
親がかわいそうだと思い自由にさせてきたことは果たしてその子のためになっ
ているのかと疑問に思います。どういう形であっても社会参加を念頭においてい
たらもっとちがったしつけができたのではないでしょうか。これは障害者、健常
者関係なく母親が考えなければならないことです。
私も母親として一つ体験したことをお話します。数年前、私はとても忙しく午
前様になることもしばしば。最初のうちは夕飯も作っておいて温めるだけにして
おきましたが、月日がたつと自分も疲れてきて、ついついお金を与えてしまうこ
とがでてきました。
楽しく食事ができないうえコンビニの弁当を食べる(子供たちはこれを買弁と
言っています)機会が増えていくと子供に変化が現れてきました。表情が暗く、
覇気がない。言葉が少なくなり、すぐあきらめる。恐ろしいことだと思いました。
たった一年くらいでこんなになるものかと思いました。
今行っている事業は子育てに通じる部分がたくさんあります。交通事故で脳の
機能が壊れた青年、食事が楽しくない車いすの子。社会参加の第一歩としてまず
は楽しい食事を本当に楽しくできるようにすることから始めています。
□高舘 美保子
いわてパノラマ福祉館 代表
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