職員採用試験官をしてみて
沼田 秀彦
総務部に籍を置いている関係で、2年連続で職員採用試験の試験官をした。会
場内は、カリカリと鉛筆を走らせる音が静寂な時間を刻んでいく。試験に取り組
む若者には、真剣な表情と目標に向かう姿が見られる。また、試験会場となった
中学校の教室では、生徒の自筆による「毎日笑顔」、「真剣集中」、「がんばり
ます」などの張り紙が私にとっては新鮮に感じられた。
自分も20数年前に試験を終えて廊下に出たとき、受験生の多さや、受験生同士
で話をしていることに不安を覚え、顔見知りもいないため、自信がどこかに消え
うせてしまったことを思い出した。当時は就職にあまり期待感もなく、どこかに
は就職できると漠然と考えていた。ところが、今や就職難の時代である。岩手の
今年7月の有効求人倍率は 0.56で、数字上ほぼ2人に一つの仕事があるという
ことになり、全ての若者が職を得ることは不可能な時代となった。むしろフリー
ターやニートと呼ばれる若者が多くなり、行政も若者の雇用対策に力を入れるよ
うになった。
他の自治体もそうだと思うが、職員採用試験を受ける若者は非常に多い。でも
若者は何に希望を持ち、夢を持って受験しているのだろうかと思う。ひるがえっ
て自分の夢は、何だったろうかと自問するとき、私には口に出していえるほどの
夢があったわけでもない。車いすの天才物理学者のホーキング博士は『人生は、
できることに集中することであり、できないことを悔やむことではない。』と言
ったそうだが、まさに試験に取り組む若者には、できることに集中し、できない
ことに悔やむことのない人生を送って欲しい。また、仕事は自己実現又は生活の
糧を得るためとか理屈をつけることが出来るが、幸運にも仕事を得た場合には、
仕事を通じて喜びや生きがいを感じてもらいたいし、自分もそうでありたい。
□沼田 秀彦
盛岡市総務部総務課 総務係長
□盛岡市
http://www.city.morioka.iwate.jp/
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